
誰かの存在理由を証明するSFは
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告知
日韓SF交換日記
- 井上雅彦「交換日記という魔法と創作者の翼」
- チェ・イテク「誰かの存在理由を証明するSFは」
- 池澤春菜「この旗のもとに」
- イ・ソヨン「SFのFはFemaleのF」
- 白井弓子「アイデア、WOMBS、手の中にある小さなもの」
- チョン・ヘジン「闘争と前進のさなかで」
- 立原透耶「SFに触れたきっかけ」
- チェン・イェ「醜くなる自由」
- 溝渕久美子「サブカルチャーとしてのSFができること」
- ホン・ジウン「空想科学小説というタブー」
- 長谷敏司「病気と創作」
- ミン・イアン「あなたのためのエッセイ」
- 八島游舷「SFとは何か」
- ソ・ユンビン「この文章は猫が書きました。」
- 中野伶理「個人的・日常的なこと」
- チョン・ドギュム「発見した人たちに捧ぐ」
- イ・サンファ「みみっちい喧嘩の話をします」
- 林譲治「ハードSFとテクノロジー」
- デイナ「パラレルワールドを旅行中です」
- 揚羽はな「白く燃える夏に小さな種を」
チ
SFが与えてくれるユニークな驚異を恐ろしさと勘違いしていた子供の頃。その真価に気づくのが遅すぎて、ゆえにより情熱的にSFの世界を探検している。韓国の現代SFをはじめ、その範囲を海外と過去へと拡大し、ゆっくり少しずつ自分ならではの特色を模索している。しかし、不自由な身体のため、そのスピードは極めてのろく限られている。書くことしかできないため、存在が持つ弱い部分を取り扱うことに何ら躊躇もない。そしてSFは、そのような弱い部分を取り扱うのに酷なほど完璧なジャンルだと思っている。
スティーヴン・キングとチョン・ユジョンの影響の下でスリラーを書きながら文章を磨き上げ、2019年、チョン・ボラの作品と出会い本格的にSFを書き始めた。そうして書いた短編をウェブ小説プラットフォームである『britG』と『鏡(거울)』に公開し、光を当てられはじめ、2020年に書いた長編2作で遂に世に知らされた。第1回ムンユンソンSF文学賞に選ばれた『シュレーディンガーの子供( 슈뢰딩거의 아이들 )』は、「多様なアイデンティティを持ちながらもそれだけで還元されない立体的な人物造形がとても印象的」で、「技術による隔離と排除への問題意識をわかりやすく伝えている」と評されている。
廣廣岡孝弥翻訳者
廣岡孝弥翻訳者
1981年富山県生まれ。『トトノイ人』をはじめ、リトルプレスの制作やサポート業に従事。2021年第5回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」にて『モーメント・アーケード』で最優秀賞を受賞。ファン・モガ『生まれつきの時間』等の翻訳を手がける。